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築100年の歴史と共に生まれる循環の宿 - ヨガ・CBD・セクシャルウェルネスを通し得る「人生の財産」

Chieさんの名前は、漢字で書くと「千絵」

日本ではなかなか見ない、珍しい漢字の組み合わせだと思いませんか?

母親からもらったというその名前の由来は、絵を人生の経験(ストーリー)に例え、千枚の絵を見るようにたくさんの経験をするような子になって欲しいというとても素敵な理由なんだそうです。


その名前の通り臆さず様々なことに挑戦してきたChieさんの人生に私が最初に交わることができたのは、2019年、東京都恵比寿にあるHemp Cafe Tokyoというヴィーガンカフェのスタッフとして働き始めた時です。お客様や同じスタッフ仲間へ明るくフレンドリーに振る舞うChieさんのエネルギッシュなキャラクターは、私をすぐHemp Cafe Tokyoへ馴染ませてくれたことを覚えています。


そのポップなエネルギーは、彼女がヨガマットの上に立つとたちまち癒しの力に変わるのだから驚きです。人は女性の抑揚ある声に安心感を受けるといつか本で読んだことがありますが、Chieさんの声は、人間にとって「安全基地」となる癒しの周波数を放っていると感じるのです。一緒に「CBDを感じるヨガ」というイベントを企画し、彼女からあたたかいホスピタリティを学んだことも貴重ないい思い出となりました。


今年の夏、そんなChieさんと築100年の歴史を持つ京町屋で思いがけず再会を果たし、強く優しい彼女がどのような人生を過ごしてきたか伺ってみました。


Chieさんの人生、直近約4年を切り取ったインタビューをこの記事では紹介したいと思います。

  

  

過酷なアパレル店舗ディレクターから一転してヨガ講師の道へ

 

お客さんの人生の一部にたずさわれる幸せから続けたアパレル業界

  • Chieさんは元々アパレルを長くやっていたんですよね。

 

アパレルは高校時代のアルバイトも含めて13年ぐらいやってたから、ずっと洋服の仕事しかしてなかったの。

洋服がめちゃめちゃ好きだったとか、服飾科を出てデザインやファブリック・ブランドの歴史に特に興味があった理由でもなくて、「ショップ店員かっこいいな」って憧れから始めました。1つのことを13年続けられた理由は、接客を通してお客さんの人生の一部にたずさわれることをやり甲斐に思ってて。

 

デートの時の服を一緒に選んで、そのデートがうまく行って、結婚・妊娠・出産・家族で来店してくれるようになり、洋服というツールが繋げてくれた貴重な人生の一瞬一瞬に自分が役に立てることが本当に嬉しくて。そんなやり甲斐がだんだん見つかってきてずっと続けてました。

 

男性社会の中で夢を追い続け、ディレクターへ

  • そんなアパレル業界を去ろうと思ったきっかけはなんだったんですか?

 

大学卒業してから勤めたその会社はメンズのお店だったの。男性服、男性のお客様、男性のスタッフに囲まれてて。そこのお店はお客さんを大切にする顧客型のお店で、接客も、世界観も好きだったから、ここのレディースのお店を作ることが夢になりました。

 

夢のために6年間男性社会の中で必死に結果だけを追い続けて、ようやくその努力と結果が認められ、原宿ラフォーレでずっと夢だった自分のお店を出したの。ディレクターとしてお店の内装・コンセプト・人材・洋服のセレクト全て0から作って、本当に自分の子供みたいに愛してるお店ができて。沢山のお客様とスタッフのおかげで3年で3店舗に急成長したお店を作ることができ、一見誰もが好調に見えたお店だったの。

 

でも、会社全体が男性社員がメインの会社だったことや、出世が早かったことで「女だから」「贔屓されてる」「上司と何かあったんじゃないか」って思われてました。

 

昔の言葉で言うとまさに”THE 体育会系”の会社でね。今で言うパワハラなんて日常茶飯事、当たり前のこと。「パワハラが普通」の時代で育ってきた上司の元で育ってきたから、私は、パワハラ自体が「社会人になること」だと思ってた

女だからって舐められたり、女だからって男性に負けたくないから、結果を出すためにがむしゃらに毎日毎日ひたすら頑張っていたんだよね。



セクハラ上司からの「生まれてこなければよかったね」

そんな中、買い付けや商談で海外出張が増えてね。毎回同じ上司と出張が増える中、セクハラをされるようになってきて。セクハラを拒んだ後の、より加速するパワハラや「死ね」「消えろ」「存在がうざい」「生まれてこなければ良かったね」って言われたことも何回もあった。

 

セクハラとパワハラのダブルパンチって相当なダメージで。女だから出世してるって変な嫌味を思われて、余計セクハラのことは誰にも相談できなかった。当時の彼氏にも言えなかったし、ただただ自分を責めるしか方法がなかったんだ。これに加えて、労働時間も終電を超えることもあったり、まともな1日休みはほとんどなかったから、身も心も崩壊していて・・・根っから明るいと自覚があった私でさえ年に1回は鬱になってしまっていたの。

 

カウンセリングも行ったり薬も飲んでいたけど、休める状況じゃないし、何よりも大切だったお店を守るためにお店には頑張って絶対に行ってた。今の自分だったら、証拠全部残して、とことん戦って追いかけてやるのに(笑)洗脳って本当に恐ろしいの。

 

 

全てを辞める決断 - モノを売ることはお客様にとって本当に幸せなのかな?

3回目の鬱になりかけていた時、全てを辞める決断をしたの。

他にやりたいことができて辞める訳ではないからすごく悔しかったし、自分がみんなと0から作り上げてきた、私の全てだったことを手放す決断は本当に辛くて、その後3ヶ月は何も手に付かずに、生きる力や感情も無くなってしまったの。

もちろんキャリアを活かしてアパレルに転職した方がお給料も良かったし簡単だと思ったけど、あれ以上のやり甲斐はないなと思ったから、それならお金とキャリアのためにやるのは違うと感じて。それと、長年「モノ」を提供してきて心のどこかで違和感を感じていた「モノが生む執着」について、「本当にお客様にとってこれが正解なのかな」とも疑問を抱いていました。

 

 

 

「モノ」から「コト」を伝えたいと思ったきっかけ

  • そこから全く違うヨガの道へ行ったんですね

 

そう、大学の時から続けてたヨガがあって、ヨガには救われたというのもあったから。

原宿は忙しいお店だったから体調崩して休む女性スタッフが多くて、でも若いスタッフに健康状態を管理してもらうのがなかなか難しかったんだよね。お弁当を作って食事管理から健康管理させてあげたかったんだけれど、もちろんそんな余裕はなくて、運動から健康管理できないか?と考えた時に、いつも鬱になった時や身体が辛い時に自分が救われたヨガを勉強して朝礼でスタッフとやれたら、少しはスタッフの健康管理に繋がって、お休みするスタッフも減るかなって思ったことがきっかけだったの結局ヨガを勉強している途中で仕事を離れることになって、スタッフの健康につなげてあげられなかったことが一番の心残り。


「全てを失った」と絶望だった時、自分の中にヨガがいてくれて。学び続けていくほど、ヨガをすることでつながる「健康(コト)」は「モノ」よりもずっと大切な人生の財産や価値に繋がっていくんだなと感じたの。

 

 

 

ヨガ講師をしながらセクシャルウェルネスを伝えていく

セックスを気持ちいいと思ったことがなかった

  • ヨガ講師をしながらセクシャルウェルネスについても発信し始めた時、最初はびっくりしました。クラファン120%達成おめでとうございます。オンラインストア、"Tulip Wellness Shop"をオープンするご予定なんですよね!まず、セクシャルウェルネスをを伝えていこうと思ったきっかけはあるんですか?

 

30歳になるまでオーガズムの経験をしたことがなかったし、セックスに対してすごいネガティブだったの。もう、セックス中に寝てたんだよね(笑)つまんなすぎて、早く終わればいいのにって思ってたくらい。それ位全く良いと思ったことなかったの。気持ちいいと思ったことがなかった。

 

このままオーガズムを経験しないまま死ぬんだろうなって、もう諦めてました。でもある日初めてオーガズムを経験できて、自分はヨガをしながら「心と体を1つに」とか言っておきながら、自分は全然1つになれてなかったなって衝撃と大反省でした。

 

今まで体感したことない感覚で、自分の内側からこんな感覚や感情が湧いてきたことにびっくり!さらに自分の身体を知るきっかけになって自分をより大切にできるようになったし、パートナーとより楽しめたり、つながりを初めて感じれるようになって。そこからはセックス中に寝ることは無くなりました。これって同じ悩みがある人って絶対いるんじゃないのかな?って思ったら、何か自分にできることがあるはずと思ったの。

 

それから以前よりもセルフプレジャーやパートナーとのセックスに前向きになって、より自分自身を楽しめるようになった。性を通して自分の身体を深く知ることは。大きく自分の健康に影響しました。冷え症がかなり緩和されたように感じるし、それもあって生理痛の緩和も感じています。何よりも自分の自信に繋がったことが一番大きかった。

 

ヨガや食を通してインナーケア・アウターケアの2軸から健康を伝えている中で、セクシャルウェルネスは中医学で最も大切だと言われている「氣」の流れを整え健康を促進・維持するために重要だと感じました。

 

「健康」には人それぞれの価値観や手段がある中で、私は自分が本当に良いと感じているこのヨガ・CBD(食)・セクシャルウェルネスの肉体的・心理的・精神的の3方向からお伝えしていくことが自分にできることなんじゃないかなと思い、活動しています。



そして「健康」を通して「氣付いたこと」「感じたこと」が自分の自信につながり、より人生が豊かになる経験を通して、日本の女性がより輝き、自立していく社会につなげていきたいと思っています。

 

だからこそ、アパレル業界でのセクハラ・パワハラの経験がネガティブだったと感じていません。むしろ今こうやって女性のために役に立ちたい!と思える自分があるのはその経験と乗り越えることができたからで、人生のギフトだったとポジティブに捉えています。

 

 

子宮と脳の繋がり - 睡眠や生理痛も解決できる?

  • 良いセックスをした後って絶対いい睡眠に繋がりますよね。うちのねむラボでもコラボしたり、商品取り扱ったりさせていただけたら楽しいかも。

 

そうだよね!子宮と脳は繋がっていると聞いたことがあるかもしれない。実は科学的にも本当の話でね。

脳の真ん中にある5gの視床下部という部分があるの。 人体の「恒常性」を保つための「自律神経」の中枢であってホルモン調節をしたり、生理の時に司令塔になっている内分泌系の総合的な調整機能を持つのもここなの。

 

例えば、セックスやセルフプレジャーはストレス緩和の効果もあると言われている理由はこれなの。ストレスが増えるとコルチゾール(別名ストレスホルモン)が増加する。コルチゾールは性ホルモンと原料が同じで、ストレスが強くかかる状況下だと、コルチゾールが優位になってしまって性ホルモン分泌が低下してしまうの。

 

女性ホルモン分泌中枢である視床下部は自律神経の中枢でもあるって話があったよね。

だから、ストレスがかかると女性ホルモンが乱れて、自律神経失調を起こしてしまうということなの。自律神経の乱れは、睡眠にも深く関わっているよね。ヨガや食とはまた違う健康のアプローチができる、目には見えないけれど「氣」の流れを整えるってそういうことだと感じているよ。

 

自分の内側と繋がるツールとしてCBDを使ってもらいたい

  • ついでに聞いちゃいますが、CBDを伝えたいと思ったきっかけは?

 

3年前引っ越した時に日当たりの悪い部屋になっちゃって、朝のヨガクラスもやってたのに全然起きれなくなった自分が嫌になっちゃった。そんな時に友達がCBDをくれて次の日にすごくスッキリ起きれたから、これは私以外の人にも助けになるんじゃないかなと思ったのが商品を作ろうと決意したきっかけでした。

普段忙しい日々を送っていると皆自分のことって後回しになりがちだと思うの。特に日本の女性。私もその1人だったからこそ、CBDを通して睡眠や自分に向き合うきっかけになることこそ、必要だと感じたんだ。

 

いきなり「自分の内側と繋がりましょう」って言われても難しいじゃない?

だから「健康」を通して、私はこの3方向から「自分の内側を見つめる」ということを一番伝えていきたいんだ。健康と向き合うと、その先にある氣付きに繋がって、気付きが思考となって、思考が行動となり、行動は運命に繋がると思っています。

 

 

ヨガ・CBD・セクシャルウェルネスの3本軸で運営するB&B

人生の財産となる経験(コト)を提供したい

  • 出会った時はヨガの講師だけをやられていたと思いますが、今ではCBDを販売してセクシャルウェルネスを伝えて、そしていつの間にかB&Bを運営していますね。

 

元々ここのお手伝いをやった経験があって、その経験が世界中の宿の中で特に大好きな宿になったの。急遽前のオーナーが海外移住することになって、大好きな場所を繋いでいきたい!という直感で。同時にここで今までやってきたことの、点と点が繋がる場所にしていきたいなと感じた。


旅の途中で、ヨガをして自分向き合う時間は大切だと思う。旅って五感が特にフル回転していてありのままの自分で楽しむでしょ?そんな自分と向き合う時間こそ、より深い旅の経験になると思うの。CBDは宿泊者さんに喜んでいただけている。ジェットラグや気候の変化で睡眠や体の疲れに役立ったと嬉しい感想をもらっているよ!あとフェムテックを置いている理由は、吸水ショーツは旅中にすごく便利なの。荷物減るし経済的だし、私はあまりゴミを出さないように旅行を楽しみたいからその点でもおすすめ。

 

  • 日本って一般的な生理用品も海外よりいいって言いますよね。私もアメリカにいた時は日本のものを買って持って行ってました。

 

そう!元アパレル業界だから自信を持って言えるのが日本の生地の技術って素晴らしいということ。特に吸水ショーツは吸水性や速乾性が重要なんだけれど、日本の工場だとクオリティが良く、安く作れるのは素晴らしい文化だと思う。これこそ自分へのお土産としてぜひ海外の人へ知ってもらいたいなと思ってセレクトしているよ。

 

私はバックパッカーをした時、有名な観光地よりも、文化や人の温かさこそ大切な思い出として心に残っている。だからこそ経験型の宿にして、心に残る旅の思い出につなげたい。「モノ」ではなく「コト」を提供して人生の財産となる経験をココから提供したいと思っています。

 

 

築100年の歴史を繋ぎながら、与え、与えられて生まれる「循環」

接客の集大成を通し、いいなと思ったものを伝えていく

  • 最後になりますが、今やりたいことを全部提供できるB&Bを運営していて、Chieさんがここで今後やりたいこと・伝えたいことはなんですか?

 

B&B Hachiがある京都市下京区に位置するこの島原アリアは日本で最古の花街だったとても歴史が長いエリアなの。現代の中心街とは違って、本当のローカル文化に触れたい人や京都の落ち着いた雰囲気を味わいたい人が選んでくれています。

 

新しい土地への旅行って特に感覚優位になって五感が研ぎ澄まされているからこそ、疲れやすかったり感じることも多かったりする。そんな時に経験することは人生の学びや刺激になることが多いの。だからこそ自分と向き合う時間は特に大切だと自分が旅行していて感じているからこそ提供できたらいいなと思っています。




宿って、人が食べて・寝て・排泄して・過ごす時間も長いし、接客の集大成みたいなところがあって。

自分が今までやってきた以上のことを考えさせられたり、自分もそこにやり甲斐を感じるし。もし共感してくれる方がいたらこの築100年の宿の歴史をつないでくれる仲間を募集中です。

 

自分がいいなと思ったものを伝えたい。それで人が喜んでくれたら私も活力や良いエネルギー、経験をもらえる。それこそ循環なんだなと感じています。



ChieさんのInstagram

ChieさんのCBDショップmagicmango

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