最近よくみるギャバ(GABA)について医師が解説

最近よくみるギャバ(GABA)について医師が解説

最近、ギャバ(GABA)配合のチョコレート、ドリンク、健康食品などをみかけます。ギャバ(GABA)とは何か、その働き、睡眠との関係などを解説していきます。

 

そもそもギャバ(GABA)ってなに?

γ-アミノ酪酸(Gamma Amino Butyric Acid)のこと。
動物、植物、微生物など自然界にひろく存在する非タンパク性アミノ酸のひとつです。
生体内では脳、脊髄など中枢神経系に存在して「抑制系」神経伝達物質、として知られ、血圧を下げたり、精神機能を安定する働きがあります。

サプリメントとしてギャバ(GABA)配合、などと記載されているものの多くは、発酵を得意とする各メーカなどがその素材を提供していることが多いようです。
例えば、国内のある本格麦焼酎メーカーでは、厳選した二条大麦を原料に、通常の製品である麦焼酎をつくる過程で大麦発酵液ができるのですが、その発酵エキスに麹菌、乳酸菌、酵母菌など微生物の力をかり、かつ、既にある発酵技術を掛け合わせて国内原料で国内製造していたりします。

 

機能性ギャバ(GABA)の働き

ギャバ(GABA)には、さまざまな生体内での働きが確認されていますので、いくつかご紹介します。

睡眠の質の向上

ねむりの質、深さについてサポートする働きがあります。

活力感

日常生活の中での一時的な活力、活気の低下を軽くすることが報告されています。

気分の前向きさ

一時的な落ち込み気分を、やる気にします。

血圧低下

血圧がすこし高めと気になっている方には血圧低下に寄与します。

疲労感の緩和

一時的なストレス、疲労感を和らげる働きが報告されています。

皮膚(肌)の弾力維持

乾燥肌が気になる方に適しており、肌の弾力維持機能が報告されています。

 

眠りとギャバ(GABA)

あ~よく寝た!と感じるときは、入眠後比較的すぐにあらわれるノンレム睡眠3*、という脳波の状態が大切です。

ギャバ(GABA)の継続摂取により、強いストレス、疲労を感じている人のノンレム睡眠3の脳波の持続時間が長くなっている報告があります。

参考:健常成人におけるGABA 経口摂取が睡眠に与える影響―無作為化二重盲検プラセボ対照クロスオーバー試験
https://www.pieronline.jp/content/article/0386-3603/46050/757?_ga=2.44065761.456677292.1645848281-1856623081.1645848281

外薗ら「薬理と治療」46,757-770(2018)

この報告では、ギャバ(GABA)含有食品を寝る前に100㎎/日、2週間連続摂取して脳波を測定しています。

*ノンレム睡眠3とは、睡眠の深さをN1、2、3と分けた最も眠りが深い段階です。

 

ギャバ(GABA)は血液脳関門を通れない?

ギャバ(GABA)は自然界に広く存在しているアミノ酸の一種。そして、人の体内では脳、脊髄神経系にあります。けれど、ギャバ(GABA)という成分自体は口から摂取したものが、そのまま脳へ吸収されるのではありません。

血液脳関門、というバリア機能が生体には装備されているので、体外からギャバ(GABA)をいくらとっても直接脳へそれが移行できるというわけではないのです。
では、ギャバ(GABA)入りチョコは意味ないのでは?と思われますよね。
お店でギャバ(GABA)入り〇〇、という製品をみることが増えているのはなぜでしょうか。

ギャバ入りチョコレート

研究でも、脳内のGABA受容体と同じ受容体が腸内に存在することが確認されています。
つまり、腸内のGABA受容体に作用することで、脳と腸の連携(腸脳相関*)によって脳へ働き、機能的に届いていると考えられているのです。

*腸は「第二の脳」とも呼ばれる独自の神経ネットワークを持っており、脳からの指令が無くても独立して活動することができます。脳腸相関とは、生物にとって重要な器官である脳と腸がお互いに密接に影響を及ぼしあうことを示す言葉です(ヤクルト中央研究所サイトより)。

だからギャバ(GABA)入りチョコ、GABA入り○○、は
まずは腸で働くことを考えてデザインされているのだと思います。

実際、ギャバ(GABA)の経口摂取によって、自律神経系の活動がバランスよく調整される報告が出ており、脳へ直接的にギャバ(GABA)が届かなくても、腸へまず働くシステムによってギャバ(GABA)効果が発揮される、といえます。

参考:GABA経口摂取による自律神経活動の活性化
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jsnfs/61/3/61_3_129/_article/-char/ja/

日本栄養・食糧学会誌/61 巻 (2008) 3 号

 

神経伝達物質の大元は食事の栄養

ギャバ(GABA)は、食事中のタンパク質、ビタミン、ミネラルなどがある体内環境では、自前で代謝生産されて精神活動に大きな役割を果たしています。
特に、タンパク質、鉄、ビタミンB群の不足下では、ご自身のギャバ(GABA)が充分に自前で作られていない可能性もあり、体内でのギャバ(GABA)産生が不足していることが多いです。

ギャバ(GABA)を外から補う前に、便通を整えたり腸内環境を見直しましょう。そして、ビタミンB群、タンパク質、鉄などが不足していないか、不足が考えられる場合はまずは食材食内容を少し考えてみましょう。

眠り基本図

 

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おすすめ① 医師が教える 子どもの食事 50の基本 脳と体に「最高の食べ方」「最悪の食べ方」 ~ 伊藤明子(著)


 おすすめ② 発達障害は食事でよくなる ~ 溝口 徹 (著)

 

おすすめ③ まんがでわかる 子育て・仕事・人間関係 ツライときは食事を変えよう ― はじめてのオーソモレキュラー栄養療法 ―
溝口 徹 、 あらい ぴろよ (著)


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