満足に眠れない、というとき、皆さんはどうしようと考えますか?
もしかしたら、どうしていいのかわからないまま医療機関に何かのついでにかかり、「眠れないんですね、軽い睡眠導入剤を使ってみますか」となるのかもしれません。
この、眠りに対して不満足な状態で、主流医学以外に使える手がある、ということを知っておくだけでも、自分の健やかさへの選択に主導権が持てます。
ということで、今回は、「眠れない」を東洋医学視点でみてみましょう。
東洋医学とは
眠れない、そんな時、例えば漢方薬局や鍼灸師に相談するのはいかがでしょう。
ともに東洋医学、中医学を基本に病名対応ではなく、あなたの個の体質を診察の上体質にあった指導が得られるはずです。
東洋医学になじみがないかたも、葛根湯(かっこうとう)を知っているかもしれません。
葛根湯は風邪の漢方薬として知られていますが、漢方薬局や鍼灸師は風邪の人全員に葛根湯をすすめるわけではありません。
風邪をひいているその人のもともとの体質と、風邪のいまの症状をあわせて東洋医学的な診察のもと対処します。
それが漢方薬であったり食養生であったり鍼灸であったり生活のアドバイスであったりします。その診察では五臓六腑(ごぞうろっぷ)や虚実(きょ、じつ)、その他の診方でみていきます。
五臓六腑とは
五臓六腑を聞いたことがある方もいるでしょう。
五臓は肝(かん)、心(しん)、脾(ひ)、肺(はい)、腎(じん)で以下のイラスト(誠心堂薬局さんよりおかりしました)のように、お互いがお互いと関連し合って機能していると考えます。
図:誠心堂薬局
東洋医学からみた不眠
睡眠障害で主に大きく関係するのは 心、肝、脾です。
ですので、例えば「最近眠れない」という人に対して1つの〇〇〇という漢方薬を病名処方するのではなく、その個体の体質からみて、消化力が落ちている(脾)ことによって睡眠に影響がでている場合は、脾をサポートするような生薬を選択しますし、自律神経系の調整が乱れていることが主である場合は、肝をサポートする生薬を処方することになります。
あるいは、それらのバランスをとるような鍼灸治療を行うわけです。
眠りのツボ
睡眠障害でおすすめされる代表的なツボには、神門(しんもん)、内関(ないかん)、百会(ひゃくえ)、安眠(あんみん)、失眠(しつみん)などがありますね。ツボを呼吸と共に優しく押圧したり、お灸をしたりすることもおすすめです。
できれば、鍼灸師に相談し、自分にあったツボを個別に教えてもらうこともおすすめします。
参考:眠れない夜は、ココを押そう!スーッと眠りに誘う「快眠ツボ」ツボへの治療やセルフケアをしていると、筋緊張が強く、肩こりや眼精疲労、くいしばりなどがあった方も和らいでいくという経験をします。
これは紛れもなく、身体の一か所の不調はその部位のみの問題ではなく、繋がりあっていて、体質や体内環境によっても睡眠障害と出たり、皮膚症状とでたり、肩こりや腰痛となって症状化していることを表していると思います。
眠れない、そんなときに処方薬以外のさまざまな選択肢があります。
東洋医学的アプローチはとてもおすすめです。
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