CBDカプセルのレビュー
「ちるねるカプセルレポート」は読んでいただけましたか?
当サイトは「ねむり力 ラボ」ですから、眠りへのサポートとCBDの量について、海外のデータとともにご紹介します。
CBDの摂取量と睡眠の改善
CBD製品の主要な用途のひとつに、睡眠の改善があります。
(他、抑うつ、不安、疼痛など)
一方、どれくらいの量を摂取すると睡眠状態の改善につながるかについての検証は、増えてはいますが、推奨する量にばらつきがあるようです。
試験データ① 1日1回 CBDカプセル25mg
Cannabidiol in Anxiety and Sleep: A Large Case Series
Perm J. 2019; 23: 18-041.
コロラド州の統合医療精神科クリニック「ホールネスセンター」に通院中の72名。不安障害患者47名、不眠患者25名。
不安、不眠に悩む患者さん72名は通常の薬物療法、精神療法に併用するかたちでCBDカプセル25mg/dayを摂取。
1日1回1粒、1粒がCBD25㎎のカプセルで
不安が主訴の患者さんは朝食後に25㎎、
不眠が主訴の患者さんは夕食後に25㎎
を摂取しました。
CBD併用前、併用1か月後、3か月後と診察が続けられ、
症状の有意な改善を認めています。
試験データ② 1日40~300mg
Cannabidiol prescription in clinical practice: an audit on the first 400 patients in New Zealand
BJGP Open. 2020 Apr; 4(1)
こちらはニュージーランドの報告です。
CBDを医師から推奨され利用した400名弱の患者さんで、12.3%が睡眠の改善を報告しています。
この調査での摂取量は、CBD1日40-300 mgで、先ほどのホールネスセンターのCBD1日25㎎と摂取量に大きな差があります。
そのほかの睡眠とCBD量の研究において、おおむね期待される体感(ねむりへのサポート)があるというポジティブな結果も多数ありますが、摂取量においては、1日CBD25㎎~800㎎と幅広く、個々の適量については、個体差の影響をふまえて、きめ細やかに量を探していくことになるでしょう。
概日リズムとカンナビノイド
既にこれまでの研究などで分かっていることをまとめてみます。
自然の体内の概日リズム(サーカディアンリズム)と、自分の体内で産生されているカンナビノイド(内因性カンナビノイド、代表的な2AG、アナンダマイドなど)には関与が認められています。
夜間はアナンダマイドの産生が増える→眠くなる
昼間は2AGの産生が増える→覚醒を促す
植物性カンナビノイドであるCBD製品を摂取することで、製品の種類にもよりますが、テルペノイド(リナロール、ミルセン、テルピノレンなど)もマイナーカンナビノイドも、CBD(カンナビジオール)とともに体内にとりこまれます。
体内にとりこまれた植物性カンナビノイドは、内因性カンナビノイド(すでに自前で産生しているアナンダマイドや2AGなど)に影響し、覚醒と睡眠のリズムや質に影響をもたらす、
というのがざっくりとした機序です。
摂取量の目安について
Dr.BONNI GOLDSTEINによる「CANNABIS is MEDICINE」の
睡眠のチャプターをみてみましょう。
(260ページ「Sleep Disorders」より)
容量についての一般的な目安の記載があります。
個々の個体差はもちろんある上で、CBDの二相性(~多相性)をふまえて、容量の目安が示されています。
低用量から中容量のCBDは覚醒に働く、
高容量のCBDは鎮静、誘眠作用を有する、
ただし個体差あり
Bonni医師はアメリカの医療大麻合法州の医師ですから、この書籍でのCBDとは、日本での茎種ルール(2023年9月現在の大麻取締法)下でのCBDとは異なるものです。
ただ、CBD製品を摂取する際に、摂取量をどのくらい?という点については、多くの人が難しく感じるので参考になると思います。
- 初心者は、1~2.5㎎とごく少量のエディブル(食べる製品)CBDからはじめてみましょう。
- 睡眠導入剤など処方薬を使っている場合も、カンナビノイドを使用することで睡眠の質や悩みをサポートする可能性がある。
- 個体差があるものの、多くは、低用量~中等量のCBDは覚醒を、高用量のCBDは誘眠を助ける。
- カンナビノイドで睡眠の改善が得られたというクライアントでは、CBD量80~160㎎/日が目安になることが多い。
上記を参考に、はじめてCBD製品をとる場合は、ごく少量から少しずつ増やしていき、1日量CBD80㎎~100㎎をひとつの目安にしてみるとよいでしょう。
睡眠導入剤などを既にお使いの場合は、CBDについて詳しいと思われる薬剤師に相談し、併用方法を教えてもらいましょう。
※参考図書「CANNABIS is MEDICINE」はAmazonで購入できます。